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■ スピーカー

人は若い頃に聴いたスピーカーの音質に長く影響されるといいます。 映画館の音が好きだった人はウエスタンやアルテックのシアターサウンドに、ジャズ喫茶の音が好きだった人はJBLサウンドに、自然に惹かれるのかもしれません。
 
スピーカーの基本はフルレンジ
スピーカーユニットの種類
エンクロージャー(箱)の種類
エンクロージャー自作のポイント
マルチウェイ・システムの音質改善
スピーカーのエッジ修理
スピーカーの音圧周波数特性測定

■ スピーカーの基本はフルレンジ

 一本のスピーカーユニットをエンクロージャー(箱)に入れたフルレンジスピーカーは、低音や高音に物足りなさを感じることがありますが、マルチウェイのスピーカーでは得られない音像定位の良さがあり、手放せない魅力があります。 市販品では、ボーズの101MM、125、富士通テンのECLIPSE TDシリーズ、タイムドメインのYoshii9などがフルレンジです。 スピーカーユニットを買ってきて、自作のエンクロージャーか、完成品のエンクロージャーと組み合わせるのも良いでしょう。 フォステクスなどのフルレンジユニットや海外製のユニットが入手可能です。 スピーカーユニットの口径は7cm程度から38cm程度までありますが、口径が大きくなるに従って低音が良く出るようになり、反対に高音が出難くなり、高音の指向性も悪くなります。 口径10cm、12cmあたりが低音、高音のバランスが良いようです。 口径16cm、20cmでは、ツィータを付加したくなりますが、音像定位の良さが薄れるので、リスナー方向にスピーカーを向けるなどで対応したいものです。
webmasterから:マルチウェイの音に疲れたり、不満を覚えたときはフルレンジを聴いてみましょう。 しばらく聴いた後マルチウェイに戻ると、その良いところや悪いところが見えてくることがあります。
 

■ スピーカーユニットの種類

(1)コーン型
 円錐(コーン)形の振動板を動かして音を出すスピーカーです。 低音再生用の口径40cm程度のものから、高音再生用の5cm程度のものまでが使われます。 コーンは、紙、ポリプロピレン、アルミ、各種の繊維を編んだものなどが使われます。 コーン外周のエッジは、コーンと一体成形したもの(フィクスドエッジ)もありますが、一般的にはウレタンフォーム、ゴム、布にコーティングしたものなどが使われます。
 
(2)ドーム型
ドーム型の振動板を動かして音を出すスピーカーです。 中音再生用の口径10cm程度のものから、高音再生用の2cm程度のものまでが使われます。 振動板は、絹や綿や化繊などの布類を使うソフトドームと、アルミやチタンやベリリウムなどの金属を使うハードドームがあります。 このタイプは指向性が良いことが特徴です。
 
(3)ホーン型
ドーム型やリング型の振動板(ダイヤフラム)から出た音をフェイジングプラグやイコライザーで絞ってからホーン(ラッパ)に接続したスピーカーです。 振動板は、アルミ、チタン、ベリリウムなどの金属が使われます。 ホーンには、樹脂、金属、木材などが使われます。 能率が高いことが特徴で、PA用や大型スピーカーの中音用や高音用に使われます。
 
(4)リボン型
リボン型の薄い振動板を持った、超高音用に使われるスピーカーです。 リボンには、アルミやベリリウムなどの金属箔が使われます。 振動板がボイスコイルを兼ねるためインピーダンスが低く、マッチングトランスが内蔵されています。
 

■ エンクロージャー(箱)の種類

(1)平面バッフル型
平面バッフル穴をあけた平面板にスピーカーユニットを取り付ける形のもの。 低音の出力レベルが少し低いものの、開放感のある音が特徴です。 ユニットは干渉をさけるため、バッフル板の中心から外して取り付けます。 実用的な大きさは、幅70cm×高さ90cm程度以上からでしょう。
webmasterから:幅90cm×高さ180cmの平面バッフルで思ったほど低音が出ず、がっかりしたことがあります。 低音を出そうとする方式ではありません。
 
(2)後面開放型
後面開放平面バッフルの周りを折り曲げた形のもの。 平面バッフル型よりも小型にできます。 平面バッフルと同様に低音の出力レベルが少し低いものの、開放感のある音が特徴です。 昔からラジオやテレビのキャビネットなどに使われてきた方式です。
 
(3)密閉型
密閉後面開放型の後ろを完全に塞いだ形のもの。 素直な音が特徴です。 位相特性もバスレフなどの共振を利用した方式より優れています。 1960年代にはBTS規格の16cmフルレンジユニットが50〜80リットルの大きめの密閉箱で使われました。 自作するなら、大きめの箱が良いでしょう。
 
(4)バスレフ型
バスレフ密閉型に穴をあけて、低域共振用のポート(ダクト)を取り付けた形のもの。 密閉型に比べて、十分な低音を再生できるのが特徴です。 市販のスピーカーでは、この方式が標準となっています。 ポートは、前面か後面にあり、スポンジや吸音材を適当につめて低音出力レベルを落とすこともできます。 自作するなら、スピーカーユニットのメーカー標準箱(指定箱)が良いでしょう。
 
(5)ダブルバスレフ型
ダブルバスレフバスレフ型の内部を二つに分けて、内部にもポート(ダクト)を取り付けた形のもの。 箱は大きくなりますが、深みのある優しい低音が特徴です。 自作するなら、長岡鉄雄氏の著書(オリジナル・スピーカー設計術こんなスピーカー見たことない1〜4/音楽之友社)を参考にすると良いでしょう。
webmasterから:8cmフルレンジ(フォステクスFE-83、f0=140Hz)で20リットルのものを作ったことがあります。 50Hzが十分に再生できました。
 
(6)フロントロードホーン型
フロントロードホーンスピーカーユニットの前にホーンを取り付けた形のもの。 高能率の独特の音が特徴です。 ホーンが大型になるため、コンクリートや木材を使って特別に制作されたものが使われます。 ホーンを折り返したものでは、JBLのパラゴンやハーツフィールドが良く知られています。
 
(7)バックロードホーン型
バックロードホーンスピーカーユニットの後ろにホーンを折り曲げて取り付けた形のもの。 高能率の独特な音が特徴です。 ホーンの長さ(音道)が、2.0〜2.5メートルのものの音のバランスが良好です。 前面にホーン開口があるものが一般的ですが、後面にあるものは点音源的な音像定位が得られます。 自作するなら、長岡鉄雄氏の著書(オリジナル・スピーカー設計術こんなスピーカー見たことない1〜4/音楽之友社)を参考にすると良いでしょう。
 
(8)コンビネーションホーン型
コンビネーションホーンフロントロードホーンとバックロードホーンとを組み合わせた形のものや、フロントロードホーンとバスレフ(左図)とを組み合わせた形のものなどがあります。 大型で高能率なので、劇場用やPA用に使われています。 タンノイのオートグラフ(フロントロードホーンとバックロードホーン)や、アルテックのA5やA7(フロントロードホーンとバスレフ)が良く知られています。
 

■ エンクロージャー自作のポイント

●スピーカーユニット
フルレンジユニットなら、口径10〜20cmが良いでしょう。
 
●板材
ラワン合板、シナ合板が無難でしょう。 MDFは木口(切り口)が割けやすいこと、水分を吸って反ること、があるので注意しましょう。
webmasterから:板材には接着剤が使用されています。 アトピーやシックハウスが心配な場合は板材の選択に十分な注意を払いましょう。
 
●板材のカット
板材販売店のカットサービスを利用するのも良いですが、小型エンクロージャーなら自分で鋸を使ってカットするのも良いでしょう。
 
●接着剤
水性の木工用ボンド(成分:酢酸ビニル樹脂、水)が良いでしょう。
 
●塗料、ニス
水性塗料、水性ニスが良いでしょう。
webmasterから:水性でもアルキド塗料は臭うものがあるので室内用には不向きです。
 
●穴開け工具
ハンドドリルと回し引き鋸を使いましょう。 変速機能付の電動ドリルドライバも便利です。
 
●はんだ付け
スピーカーユニット端子や、箱に取り付ける端子のはんだ付けには、はんだごてが必要です。 40W程度のはんだごてとコテ台、ヤニ入り糸はんだを用意しましょう。 はんだごて、コテ台、ヤニ入りはんだは、専門店以外にホームセンターやDIYショップでも購入できます。
 

■ マルチウェイ・システムの音質改善

(1)ネットワーク回路のコイル交換
コアまたは鉄心入りのコイルを使用している場合は、同規格の空芯コイルに交換するとクリアな音になります。 ただし、3.5mHを超える空芯コイルは入手が難しいでしょう。
 
(2)ネットワーク回路のコンデンサ交換
バイポーラ電解コンデンサ(表示:BP)を使用している場合は、同容量のフィルムコンデンサに交換するとクリアな音になります。 ペーパーコンデンサを使用している場合は交換の必要はないでしょう。
 
(3)アッテネータの固定抵抗への交換
レベル調整用のアッテネータは内部に5箇所程度の接触部分があり、長期間の使用で音質劣化を起こすことがあります。 これを固定抵抗に交換するとクリアな音になります。
 
(参照)
オーディオのノート
エレクトロニクスのノート
抵抗器
 

■ スピーカーのエッジ修理

スピーカーの音がおかしいのでネットを外してみたら、エッジ(振動板の外周)がボロボロになっていることがあります。 ウレタンフォームを使ったエッジは、5〜10年程度でボロボロになるものがあります。 このようなスピーカーのエッジを修理するための材料やキットが販売されています。 また、エッジ修理サービスも行われています。 エッジを修理すれば、数十年以上は使えるでしょう。
webmasterから:ウレタンのエッジでも10年でボロボロになるものや、30年経っても異常のないものなどがあります。
 

■ スピーカーの音圧周波数特性測定

オーディオのシステムにおいて、試聴位置の音圧周波数特性ほど予想外に暴れた特性はないでしょう。 無響室ではフラットな音圧周波数特性のスピーカーもリスニングルームでは10dB以上の暴れは当たり前です。 原因は室内で発生する定在波なのですが、耳で判断するのは難しいものです。 この測定は、専用の測定器を使う方法もありますが、パソコンがある場合、フリーソフトや、期間限定の無料試用ソフトを利用して測定することもできます。 また、パソコンによる音圧周波数特性の測定をマルチスピーカーシステムの各帯域の音圧確認やバスレフポートの動作確認などに応用するのも良いでしょう。


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